フロンガス(冷媒ガス)
フロンガスとは、エアコン内を循環しているガスのことす。
冷媒ガスとも呼ばれ、エアコンではこちらの呼び方のほうがポピュラーです。
熱源機器であるチラーで気化熱を連続して起こすために熱を移動させる熱媒体のことで、気化と液化が繰り返しやすく、化学変化が起きにくいものが採用されています。
エアコン内部では、熱交換器を介して、フロンガスを蒸発させて気体に変えたり、圧縮したり冷やしたりして液体に変化させたりしながら、冷暖房を行っています。
また、エアコンの撤去の際には、フロン排出抑制法(旧:フロン回収・破壊法)に基づき、エアコンや冷蔵庫の中に入っているフロンを回収しなくてはならないと定められています。
家庭用・業務用エアコンの撤去処分
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フロン排出抑制法とは?
フロン排出抑制法とは、正式には『フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律』という名称で、フロン類が地球環境へ与える影響から、それらを使用した製品からフロンが漏洩するのを抑制し、正しく管理・保守されるように制定された法律です。
フロンの製造から廃棄までを一つの流れとして、特に製品のユーザーである管理者に対しては様々な義務が課され、違反した場合には罰則や罰金が科せられます。
詳しくは、業務用エアコン法令点検のページをご覧ください。
業務用エアコンには法令点検の義務があるのをご存知ですか?
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冷媒ガス
フロンガスの種類名称 | 種類 | 代表物質 | 特徴 |
---|---|---|---|
特定フロン | CFC(Chloro Fluoro Carbon) クロロフルオロカーボン | R12、R11、R502など | ODP(オゾン破壊係数)とGWP(地球温暖化係数)が高い化合物。 オゾン層保護のためにモントリオール議定書(1989年)より、1996年には生産と輸入を禁止。 |
指定フロン | HCFC(Hydro Chloro Fluoro Carbon) ハイドロクロロフルオロカーボン | R22、R123など | ODP(オゾン破壊係数)は小さく、GWP(地球温暖化係数)は高い化合物。 オゾン層破壊保護法(1998年)より、2020年には生産と輸入を禁止。 |
代替フロン | HFC(Hydro Fluoro Carbon) ハイドロフルオロカーボン | R410A、R407C、R134a、R32など | ODP(オゾン破壊係数)が0、 GWP(地球温暖化係数)は高い化合物。 GWPの高い代替フロンから順に規制が入る可能性がある。 |
HFO(Hydro Fluoro Olefin) ハイドロフルオロオレフィン | R1234yf、R1234ze、R1233zdなど | ODP(オゾン破壊係数)が0、 GWP(地球温暖化係数)も低い化合物。 今後はHFC系からHFO系に移行していく可能性がある。 | |
ノンフロン | 自然冷媒 | R717(アンモニア)、R290(炭化水素)、R718(水)、R744(二酸化炭素)、R729(空気)など | ODP(オゾン破壊係数)は0、GWP(地球温暖化係数)は0~1程度の化合物。 しかし、冷媒として使用するには機器を大型化しないといけないなど、現時点では課題も多く、一部の業務用空調機の利用にとどまっている。 ノンフロンは通常の使用ではエネルギー効率が低い化合物が多く、比較的エネルギー効率の高いアンモニアには可燃性と毒性が、炭化水素には可燃性がある。 |
冷媒として広く普及していたフロンガス(CFC/HCFC)ですが、
オゾン層を破壊することが1980年代に確認され、フロンを規制・全廃する動きが世界中で強まりました。
それを受け、オゾン層破壊の1番の原因になっている塩素を取り除いた代替フロン(HCFC)が登場しました。
更に時代は進み、現代では代替フロンよりもっと環境にやさしい新冷媒(HFC)の使用が主流になってきています。
R22冷媒は2020年に全廃されます
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空調機に使用されている
主な冷媒の種類冷媒番号 | 化合物 | 化学記号 | ODP オゾン破壊係数 | GWP 地球温暖化係数 | 安全性等級 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
クラス | 毒性 | 燃焼性 | |||||
R22 | HCFC (指定フロン) | CHCLF2 | 0.055 | 1,810 | A1 | 低 | 不燃性 |
R134a | HFC (代替フロン) | CF3CH2F | 0 | 1,430 | A1 | 低 | 不燃性 |
R407C | HFC (代替フロン) | 混合気体 (CH2F2・C2HF3・CF3CH2F) | 0 | 1,770 | A1 | 低 | 不燃性 |
R410A | HFC (代替フロン) | 混合気体 (CH2F2・C2HF3) | 0 | 2,090 | A1 | 低 | 不燃性 |
R32 | HFC (代替フロン) | CH2F2 | 0 | 675 | A2L | 低 | 微燃性 |
R1234yf | HFO (代替フロン) | C3H2F4 | 0 | 4 | A2L | 低 | 微燃性 |
R290 | プロパン (自然冷媒) | C3H8 | 0 | ~20 | A3 | 低 | 可燃性 |
R744 | 二酸化炭素 (自然冷媒) | CO2 | 0 | 1 | A1 | 低 | 不燃性 |
R718 | 水 (自然冷媒) | H2O | 0 | 0 | A1 | 低 | 不燃性 |
R717 | アンモニア (自然冷媒) | NH3 | 0 | 1以下 | B2L | 高毒性 | 微燃性 |
フロンが環境に与える影響に関しての指標として、
オゾン破壊係数(ODP)と、地球温暖化係数(GWP)の二つの数字が使用されています。
もともとは、オゾン破壊係数(ODP)が課題となって主流として使われるガスが移り変わってきた歴史あり、
現在使われている冷媒はほとんどがオゾン破壊係数(ODP)ゼロのものになっています。
そして、時代とともに進む環境への懸念から、注目されるようになったのが地球温暖化係数(GWP)で、
いまや多くの分野で低GWP化実現に向けて研究開発が続いており、段階的にフロンの新旧切り替えを進めています。
また、現在では、環境負荷が殆どない自然冷媒を利用した製品が開発され始めています。
将来的にはGWPが限りなく0に近い自然冷媒を使用したエアコンがスタンダードになる日が来るかもしれませんね。
忘れずにチェック!
フロンラベル表示フロンラベルとは、ラベルを付けた製品の地球温暖化への影響度を示すマークです。
このフロンラベルは、消費者が地球温暖化への影響を考えて製品を選べるようにするため、JIS(日本工業規格)に定められ、2015年7月よりエアコンなどの指定製品について、製品の本体やカタログに表示することができることになりました。
フロンラベルには、環境影響度の目標達成値・地球温暖化係数・目標年度の3種類の情報が示されます。
フロンラベルの見かたと種類
環境影響度の目標達成値
製品ごとに定められた目標を達成しているかの表示で、全6段階のアルファベットで示されます。
フロン排出抑制法では、製品ごとに環境影響度の目標が設定されており、その目標を達成したものをAランクとし、さらにその目標を上回る程度に応じてAAやAAAとされ、ノンフロン製品はSランクとなっています。
また、フロンラベルには標準デザインと簡易版があり、スペースに応じて使い分けられます。
目標年度
いつまでに目標を達成するかの表示です。
フロン排出抑制法でフロン類を用いる製品ごとに定められた、環境影響度の目標値を達成する目標年度を示します。
地球温暖化係数
地球温暖化にどの程度の影響があるかの表示で、数字で示されます。
これは、二酸化炭素を1とした場合の地球温暖化への影響の程度を示します。
例えば『地球温暖化係数675』は、同じ重量あたりで二酸化炭素の675倍の影響を地球温暖化に及ぼすことを示します。
フロンラベル
簡易版フロンラベル
環境問題は個人だけでなく、地球で活動するすべての生物も含む問題です。
エアコンを選定する際は、オゾン層の破壊防止・地球温暖化の防止のためにも、ぜひフロンラベルも参考にしてください。
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