トップランナー制度

トップランナー制度

トップランナー制度とは、家電製品や自動車などの機器の省エネルギー基準を、現在商品化されている製品のうち、最も優れている機器の性能以上にすることに加え、技術開発の将来の見通し等を勘案して定めた制度です。
省エネラベリング制度における表示の基準になっており、エネルギー消費効率の目標を示して達成を促すとともに、エネルギー消費効率の表示を求めています。
簡単に言うと、現在販売されてる一番省エネの商品より、もっと省エネな商品の開発を促進し、省エネ対策を強化するものです。

省エネラベリング制度

省エネラベリング制度

https://ac.fj-tec.co.jp/空調用語集/省エネ/

省エネラベリング制度 省エネラベリング制度とは、日本の環境ラベリング制度のひとつで、家電製品が、エネルギーの使用の合理化等に関する法律に基づき定められた省エネルギー水準に・・・View More

対象となる機器

トップランナー基準は、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の第06章:機械器具に係る措置に規定されています。
対象となる『特定機器』に指定される要件は、次の3点です。

  • 我が国において大量に使用される機械器具であること。

  • その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であること。

  • その機械器具に係わるエネルギー消費効率の向上を図ることが特に必要なものであること。

トップランナー基準対象機器

  1. 乗用自動車
  2. エアコンディショナー
  3. 照明器具
  4. テレビジョン受信機
  5. 複写機
  6. 電子計算機
  7. 磁気ディスク装置
  8. 貨物自動車
  9. ビデオテープレコーダー
  10. 電気冷蔵庫
  11. 電気冷凍庫
  12. ストーブ
  13. ガス調理機器
  14. ガス温水機器
  15. 石油温水機器
  16. 電気便座
  17. 自動販売機
  18. 変圧器
  19. ジャー炊飯器
  20. 電子レンジ
  21. DVDレコーダー
  22. ルーティング機器
  23. スイッチング機器
  24. 複合機
  25. プリンター
  26. 電気温水機器
  27. 交流電動機
  28. 電球
  29. ショーケース
  30. 断熱材
  31. サッシ
  32. 複層ガラス

エアコンにおける

トップランナー基準

エアコンにおいてのトップランナー基準は、APF(通年エネルギー消費効率)の数値が、
規定された日付以降の加重平均で目標基準値の達成が義務付けられています。

対象となるエアコン

ほぼすべてのエアコンですが、以下のものを除きます。

  1. 冷房能力が50.4kWを超えるもの
  2. 水冷式のもの
  3. 圧縮用電動機を有しない構造のもの
  4. 電気以外のエネルギーを暖房の熱源とする構造のもの
  5. 機械器具の性能維持若しくは飲食物の衛生管理のための空気調和を目的とする温度制御機能又は除じん性能を有する構造のもの
  6. 専ら室外の空気を冷却して室内に送風する構造のもの
  7. スポットエアコンディショナー
  8. 車両その他輸送機関用に設計されたもの
  9. 室内側熱交換器の給排気口にダクトを有する構造のもの
  10. 冷房のための熱を蓄える専用の蓄熱槽(暖房用を兼ねるものを含む。)を有する構造のもの
  11. 高気密・高断熱住宅用に設計されたもので、複数の居室に分岐ダクトで送風し、かつ、換気装置と連動した制御を行う構造のもの
  12. 専用の太陽電池モジュールで発生した電力によって圧縮機、送風機その他主要構成機器を駆動する構造のもの
  13. 床暖房又は給湯の機能を有するもの
  14. 分離熱源型であって1つの室外機に2つ以上の室内機を接続して用いる構造のもののうち冷房によって吸収された熱を暖房の熱源として用いるもの
  15. 冷房の用のみに供するもの
  16. 窓に設置される構造のもの
  17. 壁を貫通して設置される構造のもの
  18. 冷房能力が28kWを超えるもののうち、分離型であって1つの室外機に2つ以上の室内機を接続して用いる構造のもの(各室内機を個別に制御するものに限る。)以外のもの

家庭用エアコン目標基準値

目標年度が2027年度以降の各年度のもの

経済産業省は、家庭用エアコンの省エネ目標基準(トップランナー制度)を、15年ぶりに改正し、
各メーカーに現在よりも最大3割ほど消費電力を抑えるように義務付けました。
これにより、改正年度の2022年から5年間の猶予期間内を設け、壁掛形のものは目標年度が2027年度以降、
壁掛形以外のもの・マルチタイプのものは目標年度が2029年度以降の達成が義務付けられます。

ユニットの形態冷房能力仕様区分名基準エネルギー消費効率
又はその算定式
直吹き形で壁掛け形のもの2.8kW以下寒冷地仕様以外のものE = 6.6
寒冷地仕様のものE = 6.2
2.8kW超28.0kW以下寒冷地仕様以外のものE = 6.84 – 0.210 ×(A – 2.8)
寒冷地仕様のものE = 6.44 – 0.210 ×(A – 2.8)
直吹き形で壁掛け形以外のもの
(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別制御するものを除く。)
3.2kW以下E = 5.4
3.2kW超4.0kW以下E = 5.0
4.0kW超28.0kW以下E = 4.5
マルチタイプのものであって室内機の運転を個別制御するもの4.0kW以下E = 5.6
4.0kW超7.1kW以下E = 5.6
7.1kW超28.0kW以下E = 5.5

家庭用エアコン

基準値の改善率比較

2022年の家庭用エアコンの省エネ基準の改正に伴う、新旧基準値の比較です。

ユニットの形態冷居能力室内機の寸法タイプ目標基準値
(JISC9612:2005)
次期目標基準値
(JISC9612:2013)
改善率(%)
壁掛形2.2kW寸法規定5.86.613.8%
寸法フリー6.6
2.5kW寸法規定5.86.613.8%
寸法フリー6.6
2.8kW寸法規定5.86.613.8%
寸法フリー6.6
3.2kW寸法規定5.86.613.8%
寸法フリー6.6
4.0kW寸法規定4.96.634.7%
寸法フリー6.0
4.5kW5.56.518.2%
5.0kW5.56.416.4%
5.6kW5.06.326.0%
6.3kW5.06.122.0%
7.1kW4.55.931.1%
8.0kW4.55.726.7%
9.0kW4.55.522.2%
10.0kW4.55.317.8%
壁掛形以外~3.2kW5.25.43.8%
~4.0kW4.85.04.2%
~28.0kW4.34.54.7%
マルチタイプ~4.0kW5.45.63.7%
~7.1kW5.45.63.7%
~28.0kW5.45.51.9%

家庭用エアコン目標基準値

目標年度が2012年度以降の各年度のもの

家庭用エアコンであり、目標年度が2010年度以降の各年度のもの以外。
但し、区分E~Gにおいては2010年度以降の各年度のもの。

冷房能力室内機の寸法タイプ区分名〈目標基準値〉
基準エネルギー消費効率
直吹き形で壁掛け形のもの
(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別制御するものを除く。)
4.0kW超5.0kW以下E5.5
5.0kW超6.3kW以下F5
6.3kW超28.0kW以下G4.5
直吹き形で壁掛け形以外のもの
(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別制御するものを除く。)
3.2kW以下H5.2
3.2kW超4.0kW以下I4.8
4.0kW超28.0kW以下J4.3
マルチタイプのものであって室内機の運転を個別制御するもの4.0kW以下K5.4
4.0kW超7.1kW以下L5.4
7.1kW超28.0kW以下M5.4

マルチエアコンについて詳しくはコチラ

家庭用エアコン目標基準値

目標年度が2010年度以降の各年度のもの

家庭用エアコンであり、冷房能力4.0kW以下であって直吹き形で壁掛け形のもの
(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別制御するものを除く)

冷房能力室内機の寸法タイプ区分名〈目標基準値〉
基準エネルギー消費効率
3.2kW以下寸法規定タイプA5.8
寸法フリータイプB6.6
3.2kW超4.0kW以下寸法規定タイプC4.9
寸法フリータイプD6

寸法規定タイプ・・・室内機の横幅寸法800mm以下かつ高さ295mm以下の機種
寸法規定フリータイプ・・・それ以外の機種

業務用エアコン

目標年度が2015年度以降の各年度のもの

形態及び機能室内機の種類冷房能力区分名基準エネルギー消費効率
又はその算定式
複数組合せ形のもの及び下記以外のもの4方向カセット形3.6kW未満aaE = 6.0
3.6kW以上10.0kW未満abE = 6.0 – 0.083 ×(A – 3.6)
10.0kW以上20.0kW未満acE = 6.0 – 0.12 ×(A – 3.6)
20.0kW以上28.0kW以下adE = 5.1 – 0.060 ×(A-20)
4方向カセット形以外3.6kW未満aeE = 5.1
3.6kW以上10.0kW未満afE = 5.1 – 0.083 ×(A – 3.6)
10.0kW以上20.0kW未満agE = 5.1 – 0.10 ×(A – 10)
20.0kW以上28.0kW以下ahE = 4.3 – 0.050 ×(A – 20)
マルチタイプのもので室内機の運転を個別制御するもの10.0kW未満aiE = 5.7
10.0kW以上20.0kW未満ajE = 5.7 – 0.11 ×(A – 10)
20.0kW以上40.0kW未満akE = 5.7 – 0.065 ×(A – 20)
40.0kW以上50.4kW以下alE = 4.8 – 0.040 ×(A – 40)
室内機が床置きでダクト接続形のもの及びこれに類するもの直吹き形20kW未満amE = 4.9
20.0kW以上28.0kW以下anE = 4.9
ダクト形20kW未満aoE = 4.7
20.0kW以上28.0kW以下apE = 4.7

表示事項

  • 家庭用エアコン

    • 冷房能力
    • 区分名(冷暖房用エアコンディショナーのうち直吹き形で分離型のものに限る。)
    • 冷房消費電力
    • 暖房能力(暖房のできるものに限る。)
    • 暖房消費電力(暖房のできるものに限る。)
    • 通年エネルギー消費効率(冷暖房用エアコンディショナーのうち直吹き形で分離型のものに限る。)
    • 使用上の注意
    • 製造事業者等の氏名又は名称(※家庭で使用するエアコンディショナーの表示については、家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号)の規定に基づくもので、省エネ法では規定していない。)

    ※消費者の見やすい場所に表示。ただし、使用上の注意については、本体又は取扱説明書。

  • 業務用エアコン

    • 品名及び形名
    • 区分名
    • 冷房能力
    • 冷房消費電力
    • 暖房能力
    • 暖房消費電力
    • 通年エネルギー消費効率
    • 製造事業者等の氏名又は名称

    ※性能表示のあるカタログ及び取扱説明書の見やすい箇所に表示。

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